遊子吟

書き下し文

慈母 手中の線

遊子 身上の衣

行に臨んで 密密に縫う

意に恐る 遅遅として帰らんことを

誰か言う1 寸草の心

三春の暉に報い得んと

訓読文

遊(ゆう)子(し)吟(ぎん)

孟(もう)郊(こう)

慈(じ)母(ぼ)手(しゅ)中(ちゅう)ノ線(いと),

遊(ゆう)子(し)身(しん)上(じょう)ノ衣(ころも)。

行(こう)ニ臨(のぞ)ンデ密(みつ)密(みつ)ニ縫(ぬ)フ,

意(い)ニ恐(おそ)ル遅(ち)遅(ち)トシテ歸(かえ)ランコトヲ。

誰(たれ)カ言(い)フ寸(すん)草(そう)ノ心(こころ),

報(むく)イ[二]得(え)ント[三]三(さん)春(しゅん)ノ暉(き)ニ[一]。

典籍

孟東野集


唐詩粹選 (元)徐充、楊士弘

参考資料


  1. 「難将」ともする。 ↩︎