夜の月

書き下し文

更深け、月色、人家に半ばし、

北斗は、闌干として、南斗は、斜めなり。

今夜、偏へに知る、春氣の暖かなるを、

虫声、新たに綠1の窗紗を透る。

訓読文

夜(よる)ノ月(つき)

劉(りゅう)方(ほう)平(へい)

更(こう)深(ふか)ケ月(げつ)色(しょく)半(なか)バシ[二]人(じん)家(か)ニ[一],

北(ほく)斗(と)ハ闌(らん)干(かん)トシテ南(なん)斗(と)ハ斜(なな)メナリ。

今(こん)夜(や)偏(ひと)ヘニ知(し)ル春(しゅん)氣(き)ノ暖(あたた)カナルヲ,

蟲(ちゅう)聲(せい)新(あら)タニ透(とお)ル[二]綠(みどり)ノ窗(そう)紗(さ)ヲ[一]。

典籍

唐詩品彙 (明)高棅


唐詩選 (清)王闓運

参考資料

  • くらすらん - 国語(古文・漢文・現代文)と語学の関連情報・関連書籍を紹介するブログ nbataro.blog.fc2.com
  • 唐詩品彙 (明)高棅 (中国語) ctext.org
  • 唐詩選 (清)王闓運 (中国語) ctext.org

  1. 「碧」ともする。 ↩︎