柳を詠ず

書き下し文

碧玉 粧ひ成って1 一樹 高し

万条 垂れ下る 緑糸の縧

知らず 細葉 誰か裁ち出づる

二月の春風は剪刀に似たり

訓読文

詠(えい)ズ[レ]柳(やなぎ)ヲ

賀(が)知(ち)章(しょう)

碧(へき)玉(ぎょく)妝(よそお)ヒ成(な)ッテ一(いち)樹(じゅ)高(たか)シ,

萬(ばん)條(じょう)垂(た)レ下(くだ)ル[レ]緑(りょく)絲(し)ノ縧(とう)。

不(ず)[レ]知(し)ラ細(さい)葉(よう)誰(たれ)カ裁(た)チ出(い)ヅル,

二(に)月(がつ)ノ春(しゅん)風(ぷう)ハ似(に)タリ[二]剪(せん)刀(とう)ニ[一]。

典籍

賀知章集 《民國四明叢書》本

参考資料


  1. 「粧」→「装」、「成」→「来」ともする。 ↩︎