使いして塞上に至る(使至塞上)

書き下し文

単車、辺を問わんと欲し

属国、居延を過ぐ1

征蓬、漢塞を出で

帰雁、胡天に入る

大漠、孤煙 直に

長河、落日 円なり

蕭関にて候騎2に逢えば

「都護は燕然に在り」と

訓読文

使(つか)イシテ至(いた)ル[二]塞(さい)上(じょう)ニ[一]

王(おう)維(い)

單(たん)車(しゃ)欲(ほっ)[レ]シ問(と)[レ]ハント邊(へん)[レ]ヲ,

屬(ぞっ)國(こく)過(す)グ[二]居(きょ)延(えん)ヲ[一]。

征(せい)蓬(ほう)出(い)デ[二]漢(かん)塞(さい)ヲ[一],

歸(き)鴈(がん)入(い)ル[二]胡(こ)天(てん)ニ[一]。

大(たい)漠(ばく)孤(こ)煙(えん)直(なお)ク,

長(ちょう)河(が)落(らく)日(じつ)圓(まど)カナリ。

蕭(しょう)關(かん)逢(あ)[二]エバ候(こう)騎(き)[一]ニ,

都(と)護(ご)在(あ)リト[二]燕(えん)然(ぜん)[一]ニ。

典籍

類箋唐王右丞詩集 (宋)劉辰翁

参考資料


  1. 「命を銜(ふく)んで天闕(てんけつ)を辞し、単車、辺を問わんと欲し」ともする。 ↩︎

  2. 「候吏」ともする。 ↩︎