滕王閣

書き下し文

滕王の高閣 江渚に臨み

佩玉鳴鑾 歌舞罷む

畫棟朝に飛ぶ 南浦の雲

朱簾1暮に捲く 西山の雨

閒雲潭影 日に悠悠

物換わり星移る 幾度の秋2

閣中の帝子 今何くにか在る

檻外の長江 空しく自ずから流る

訓読文

滕(とう)王(おう)閣(かく)

王(おう)勃(ぼつ)

滕(とう)王(おう)ノ高(こう)閣(かく)臨(のぞ)ム[二]江(こう)渚(しょ)[一]ニ,

佩(はい)玉(ぎょく)鳴(めい)鸞(らん)罷(や)ム[二]歌(か)舞(ぶ)[一]ヲ。

畫(が)棟(とう)朝(あした)ニ飛(と)ブ南(なん)浦(ぽ)ノ雲(くも),

朱(しゅ)簾(れん)暮(くれ)ニ捲(ま)ク西(せい)山(ざん)ノ雨(あめ)。

閑(かん)雲(うん)潭(たん)影(えい)日(ひ)ニ悠(ゆう)悠(ゆう)タリ,

物(もの)換(か)ワリ星(ほし)移(うつ)ル幾(いく)度(たび)ノ秋(あき)ゾ。

閣(かく)中(ちゅう)ノ帝(てい)子(し)今(いま)何(いず)クニカ在(あ)ル,

檻(かん)外(がい)ノ長(ちょう)江(こう)空(むな)シク自(おの)ズカラ流(なが)ル。

典籍

王子安集註 (清)蒋清翊

参考資料


  1. 「珠簾」ともする。 ↩︎

  2. 「度幾秋」ともする。 ↩︎