諸子と峴山に登る(與諸子登峴山)

書き下し文

人事に代謝有り、

往来は古今を成す。

江山、勝跡を留め。

我が輩、復た登臨す。

水落ちて、魚梁浅く、

天寒くして、夢沢深し。

羊公の碑、尚ほ在り1

読み罷むも、涙、襟を沾せり2

訓読文

與(と)[二]諸(しょ)子(し)[一]登(のぼ)ル[二]峴(けん)山(ざん)[一]ニ

孟(もう)浩(こう)然(ねん)

人(じん)事(じ)ニ有(あ)リ[二]代(たい)謝(しゃ)[一],

往(おう)来(らい)ハ成(な)ス[二]古(こ)今(こん)ヲ[一]。

江(こう)山(ざん)留(とど)ム[二]勝(しょう)迹(せき)ヲ[一]。

我(わ)ガ輩(ばい)復(ま)タ登(とう)臨(りん)ス。

水(みず)落(お)チテ魚(うお)梁(やな)浅(あさ)ク,

天(てん)寒(さむ)クシテ夢(む)澤(たく)深(ふか)シ。

羊(よう)公(こう)ノ碑(ひ)尚(なお)ほ在(あ)リ,

読(よ)ミ罷(や)ムモ涙(なみだ)沾(ぬら)セリ[レ]襟(えり)ヲ。

典籍

孟襄陽集 (明)毛晋

参考資料


  1. 「字が在り」ともする。 ↩︎

  2. 「凝」ともする。 ↩︎