早春水部張十八員外に呈す

書き下し文

天街の小雨  潤ふこと酥の如く,

草色 遙かに看るも  近づけば卻って無し。

最もなるは是れ  一年 春の好き處,

絶えて勝ぐは  煙柳1 皇都に滿つるに。

訓読文

早(そう)春(しゅん)呈(てい)ス[二]水(すい)部(ぶ)張(ちょう)十(じゅう)八(はち)員(いん)外(がい)[一]ニ

韓(かん)愈(ゆ)

天(てん)街(がい)ノ小(しょう)雨(う)潤(うるお)フコト如(ごと)ク[レ]酥(そ)ノ,

草(そう)色(しょく)遥(はる)カニ看(み)ルモ近(ちか)ヅケバ卻(かえ)ッテ無(な)シ。

最(もっと)モナルハ是(こ)レ一(いち)年(ねん)春(はる)ノ好(す)キ處(ところ),

絶(た)エテ勝(しの)グハ煙(えん)柳(りゅう)滿(み)ツルニ[二]皇(こう)都(と)[一]ニ。

典籍

韓昌黎詩集編年笺注 (清)方世舉撰

参考資料


  1. 「花柳」ともする。 ↩︎