書き下し文
初めて征雁を聞き、已に蝉無く、
百尺の楼、高くして1、水は天に接す。
青女と素娥は、倶に冷たきに耐え、
月中霜裏に嬋娟を闘わす。
訓読文
霜(そう)月(げつ)
李(り)商(しょう)隠(いん)
初(はじ)メテ聞(き)キ[二]征(せい)雁(がん)ヲ[一]已(すで)ニ無(な)ク[レ]蝉(せみ),
百(ひゃく)尺(しゃく)ノ樓(ろう)高(たか)クシテ水(みず)ハ接(せつ)ス[レ]天(てん)ニ。
青(せい)女(じょ)ト素(そ)娥(が)ハ倶(とも)ニ耐(た)エ[レ]冷(つめ)タキニ,
月(げつ)中(ちゅう)霜(そう)裏(り)ニ鬭(たたか)ワス[二]嬋(せん)娟(けん)ヲ[一]。
典籍
李義山詩文全集箋註 (清)馮浩
参考資料
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「楼の南」か「楼台」ともする。 ↩︎