書き下し文

綏を垂して、淸露を飮み、

響を流して、疏桐より出だす。

高きに居せば、声、自ら遠けれども、

是れ、秋風に借りたるに非ず。

訓読文

蟬(せみ)

虞(ぐ)世(せい)南(なん)

垂(た)ラシテ[レ]綏(すい)ヲ飲(の)ミ[二]清(せい)露(ろ)[一]ヲ,

流(なが)シテ[レ]響(ひびき)ヲ出(い)ダス[二]疏(そ)桐(とう)[一]ヨリ。

居(きょ)セバ[レ]高(たか)キニ聲(こえ)自(おのずか)ラ遠(とお)ケレドモ,

非(あら)ズ[三]是(こ)レ藉(か)リタルニ[二]秋(しゅう)風(ふう)ニ[一]。

典籍

虞世南集 《民國四明叢書》本

参考資料