書き下し文
笑う莫かれ、農家、臘酒の渾れるを、
豊年、客を留むるに、鶏豚足る。
山重、水複、路無きかと疑う、
柳暗、花明、又一村。
簫鼓、追随して、春社近く、
衣冠、簡朴にして、古風存す。
今より若し閑かに月に乗ずるを許さば、
杖を拄いて時と無く夜門を叩かん。
訓読文
遊(あそ)ブ[二]山(さん)西(せい)ノ村(むら)[一]ニ
陸(りく)游(ゆう)
莫(な)カレ[レ]笑(わら)フ農(のう)家(か)ノ臘(ろう)酒(しゅ)ノ渾(にご)レルヲ,
豊(ほう)年(ねん)留(とど)[レ]ムルニ客(かく)ヲ足(た)ル[二]鶏(けい)豚(とん)[一]。
山(さん)重(ちょう)水(すい)複(ふく)疑(うたが)フ[レ]無(な)キカト[レ]路(みち)[レ],
柳(りゅう)暗(あん)花(か)明(めい)又(また)一(いっ)村(そん)。
簫(しょう)鼓(こ)追(つい)隨(ずい)シテ春(しゅん)社(しゃ)近(ちか)ク,
衣(い)冠(かん)簡(かん)朴(ぼく)ニシテ古(こ)風(ふう)存(そん)ス。
従(よ)リ[レ]今(いま)若(も)シ許(ゆる)サバ[二]閒(しず)カニ乗(じょう)ズルヲ[レ]月(つき)[一]ニ,
拄(つ)イテ[レ]杖(つえ)ヲ無(な)ク[レ]時(とき)ト夜(よる)叩(たた)カン[レ]門(もん)ヲ。
典籍
劍南詩鈔
参考資料
- くらすらん - 国語(古文・漢文・現代文)と語学の関連情報・関連書籍を紹介するブログ nbataro.blog.fc2.com
- 劍南詩鈔 (中国語) ctext.org