山居秋暝

書き下し文

空山 新雨の後

天気 晩来 秋なり

明月 松間に照し

清泉 石上に流る

竹、喧しくして 浣女帰り

蓮、動いて 漁舟下る

随意なり 春芳の歇むこと

王孫 自ら留まる可し

訓読文

山(さん)居(きょ)秋(しゅう)暝(めい)

王(おう)維(い)

空(くう)山(ざん)新(しん)雨(う)ノ後(のち),

天(てん)氣(き)晩(ばん)来(らい)秋(あき)ナリ。

明(めい)月(げつ)松(しょう)間(かん)ニ照(てら)シ,

清(せい)泉(せん)石(せき)上(じょう)ニ流(なが)ル。

竹(たけ)喧(かまびす)シクシテ歸(かえ)リ[二]浣(かん)女(じょ)[一],

蓮(はす)動(うご)イテ下(くだ)ル[二]漁(ぎょ)舟(しゅう)[一]。

隨(ずい)意(い)ナリ春(しゅん)芳(ぽう)ノ歇(や)ムコト,

王(おう)孫(そん)自(おのづか)ラ可(べ)シ[レ]留(とど)マル。

典籍

類箋唐王右丞詩集 (宋)劉辰翁

参考資料

  • 漢詩を読む 宇野直人 平凡社
  • 類箋唐王右丞詩集 (宋)劉辰翁(中国語) ctext.org