劉景文に贈る

書き下し文

荷は尽きて、已に雨を擎ぐるの蓋無く、

菊は残えて、猶お霜に傲るの枝有り。

一年の好景1、君、須らく記すべし、

最も是れ2、橙は黄に、橘は緑なる時。

訓読文

贈(おく)ル[二]劉(りゅう)景(けい)文(ぶん)ニ[一]

蘇(そ)軾(しょく)

荷(はす)ハ盡(つ)キテ已(すで)ニ無(な)ク[二]擎(ささ)グルノ[レ]雨(あめ)ヲ蓋(かさ)[一],

菊(きく)ハ残(おとろ)エテ猶(な)ホ有(あ)リ[二]傲(おご)ルノ[レ]霜(しも)ニ枝(えだ)[一]。

一(いち)年(ねん)ノ好(こう)景(けい)君(きみ)須(すべか)ラク記(き)スベシ,

最(もっと)モ是(こ)レ橙(とう)ハ黄(き)ニ橘(きつ)ハ緑(みどり)ナル時(とき)。

典籍

東坡全集


東坡先生詩集註


集註分類東坡先生詩 《四部叢刊初編》

参考資料


  1. 「好處」ともする。 ↩︎

  2. 「正に是れ」ともする。 ↩︎