早歳那ぞ知らん 世事の艱きを 中原北望して 氣 山の如し 樓船夜雪 瓜洲の渡 鐵馬秋風 大散關
早歳那ぞ知らん 世事の艱きを
中原北望して 氣 山の如し
樓船夜雪 瓜洲の渡
鐵馬秋風 大散關
世味 年來 薄きこと紗に似たり 誰か馬に騎って京華に客たらしむる 小樓 一夜 春雨を聽く 深巷 明朝 杏花を賣る
世味 年來 薄きこと紗に似たり
誰か馬に騎って京華に客たらしむる
小樓 一夜 春雨を聽く
深巷 明朝 杏花を賣る
笑う莫かれ、農家、臘酒の渾れるを、 豊年、客を留むるに、鶏豚足る。 山重、水複、路無きかと疑う、 柳暗、花明、又一村。
笑う莫かれ、農家、臘酒の渾れるを、
豊年、客を留むるに、鶏豚足る。
山重、水複、路無きかと疑う、
柳暗、花明、又一村。
病骨、支離として、紗帽、寬く、 孤臣、萬里、江干に客す。 位、卑しけれど、未だ敢て、憂國を忘れず、 事、定まれど、猶お須らく、棺を、闔するを待つべし。
病骨、支離として、紗帽、寬く、
孤臣、萬里、江干に客す。
位、卑しけれど、未だ敢て、憂國を忘れず、
事、定まれど、猶お須らく、棺を、闔するを待つべし。
孤村に僵れ臥すも、自ら哀しとせず、 尚も思う、國の爲、輪臺を戍らんと。 夜、闌け臥して聽く、風、雨に吹くを、 鐵馬、冰河、夢に入り來たる。
孤村に僵れ臥すも、自ら哀しとせず、
尚も思う、國の爲、輪臺を戍らんと。
夜、闌け臥して聽く、風、雨に吹くを、
鐵馬、冰河、夢に入り來たる。
死去すれば元知る 万事空しと 但、悲しむ 九州の 同じきを見ざるを 王師北のかた 中原を定むるの日 家祭忘るる無かれ 乃翁に告ぐるを
死去すれば元知る 万事空しと
但、悲しむ 九州の 同じきを見ざるを
王師北のかた 中原を定むるの日
家祭忘るる無かれ 乃翁に告ぐるを
鵝、鵝、鵝、 曲項1、天に向って歌う。 白毛、綠水に浮き、 紅掌、清波を撥く。
鵝、鵝、鵝、
曲項1、天に向って歌う。
白毛、綠水に浮き、
紅掌、清波を撥く。
前に古人を見ず 後に来者を見ず 天地の悠悠たるを念い 独り愴然として 涕下る
前に古人を見ず
後に来者を見ず
天地の悠悠たるを念い
独り愴然として 涕下る
綏を垂して、淸露を飮み、 響を流して、疏桐より出だす。 高きに居せば、声、自ら遠けれども、 是れ、秋風に借りたるに非ず。
綏を垂して、淸露を飮み、
響を流して、疏桐より出だす。
高きに居せば、声、自ら遠けれども、
是れ、秋風に借りたるに非ず。
滕王の高閣 江渚に臨み 佩玉鳴鑾 歌舞罷む 畫棟朝に飛ぶ 南浦の雲 朱簾1暮に捲く 西山の雨
滕王の高閣 江渚に臨み
佩玉鳴鑾 歌舞罷む
畫棟朝に飛ぶ 南浦の雲
朱簾1暮に捲く 西山の雨
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