鄕に回りて偶書す(回鄕偶書)

書き下し文

少小1にして家2を離れ 老大にして囘る

鄕音改まる無く3 鬢毛4衰える

兒童5相見て 相識らず

笑って6問う、客は 何れの處從り來るかと

訓読文

回(かえ)リテ[レ]鄕(きょう)ニ偶(たまたま)書(しょ)ス

賀(が)知(ち)章(しょう)

少(しょう)小(しょう)ニシテ離(はな)レ[レ]家(いえ)ヲ老(ろう)大(だい)ニシテ囘(かえ)ル,

鄕(きょう)音(おん)無(な)ク[レ]改(あらた)マル鬢(びん)毛(もう)衰(おとろ)フ。

兒(じ)童(どう)相(あい)見(み)テ不(ず)[二]相(あい)識(し)ラ[一],

笑(わら)ッテ問(と)フ客(かく)ハ從(よ)リ[二]何(いず)レノ處(ところ)[一]來(きた)ルカト。

典籍

賀知章集 《民國四明叢書》本

参考資料

  • 公益社団法人 関西吟詩文化協会 www.kangin.or.jp
  • 賀知章集 《民國四明叢書》本 (中国語) ctext.org

  1. 「幼少」ともする。 ↩︎

  2. 「鄕」ともする。 ↩︎

  3. 「難く」ともする。 ↩︎

  4. 「面毛」ともする。 ↩︎

  5. 「家童」ともする。 ↩︎

  6. 「却って」、「借(しゃ)問」ともする。 ↩︎