書き下し文
群山、萬壑、荊門に赴く、
明妃、生長し、尚お、村、有り。
一たび、紫臺を去れば、朔漠に連り、
獨り青冢を留めて、黄昏に向かう。
畫圖、省識さる、春風の面を、
環珮、空しく歸る、月夜1の魂。
千載、琵琶、胡語を作し、
分明に、怨恨を曲中に論ず。
訓読文
詠(えい)[二]懷(かい)ス[三]古(こ)跡(せき)[一]ヲ
杜(と)甫(ほ)
羣(ぐん)山(ざん)萬(ばん)壑(がく)赴(おもむ)ク[二]荊(けい)門(もん)ニ[一],
生(せい)[二]長(ちょう)シ[三]明(めい)妃(ひ)[一]尚(なお)有(あ)リ[レ]村(むら)。
一(いっ)タビ去(さ)レバ[二]紫(し)臺(だい)ヲ[一]連(つが)リ[二]朔(さく)漠(ばく)ニ[一],
獨(ひと)リ留(とど)メテ[二]青(せい)塚(ちょう)ヲ[一]向(む)カフ[二]黄(こう)昏(こん)ニ[一]。
畫(が)圖(ず)省(しょう)識(しき)サル春(しゅん)風(ぷう)ノ面(おもて)ヲ,
環(かん)珮(ぱい)空(むな)シク歸(かえ)ル月(げつ)夜(や)ノ魂(こん)。
千(せん)載(ざい)琵(び)琶(ば)作(な)シ[二]胡(こ)語(ご)ヲ[一],
分(ぶん)明(めい)ニ怨(えん)恨(こん)ヲ曲(きょく)中(ちゅう)ニ論(ろん)ズ。
典籍
杜工部诗集注解 (明)张溍 (淸)张榕端
杜工部詩集 - (明)朱鶴齡
参考資料
- 詩詞世界 www5a.biglobe.ne.jp
- 杜工部诗集注解 (明)张溍 (淸)张榕端 (中国語) ctext.org
- 杜工部詩集 - (明)朱鶴齡(中国語) ctext.org
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「夜月」ともする。 ↩︎