金陵の酒肆にて留別す(金陵酒肆留別)

書き下し文

白門の柳花1、満店香し、

呉姫、酒を圧して、客を喚びて嘗めしむ。

金陵の子弟、来りて相送り、

行かんと欲して行かず、各 觴を盡す。

請う 君 問取せよ2 東流の水に、

別意と之と 誰か短長と。

漢文

金(きん)陵(りょう)ノ酒(しゅ)肆(し)ニテ留(りゅう)別(べつ)ス

李(り)白(はく)

白(はく)門(もん)ノ柳(りゅう)花(か)滿(まん)店(てん)香(かんば)シ,

呉(ご)姫(き)壓(あっ)シテ[レ]酒(さけ)ヲ喚(よ)ビテ[レ]客(かく)ヲ嘗(な)メシム。

金(きん)陵(りょう)ノ子(し)弟(てい)來(きた)リテ相(あい)送(おく)リ,

欲(ほっ)シテ[レ]行(ゆ)カント不(ず)[レ]行(ゆ)カ各(おのおの)盡(つく)ス[レ]觴(さかずき)ヲ。

請(こ)ウ君(きみ)問(もん)取(しゅ)セヨ東(とう)流(りゅう)ノ水(みず)ニ,

別(べつ)意(い)與(と)之(これ)ト誰(いずれ)カ短(たん)長(ちょう)と。

典籍

李太白文集


唐詩三百首註釋

参考資料


  1. 「風は柳花を吹きて」もある。 ↩︎

  2. 「試みに問え」もある。 ↩︎