書き下し文
早歳那ぞ知らん 世事の艱きを
中原北望して 氣 山の如し
樓船夜雪 瓜洲の渡
鐵馬秋風 大散關
塞上の長城 空しく自ら許すも
鏡中の衰鬢 已に先ず斑なり
出師の一表 眞に世に名あり
千載誰か堪えん 伯仲の間
訓読文
書(しょ)ス[レ]憤(いきどお)リヲ
陸(りく)游(ゆう)
早(そう)歳(さい)那(なん)ゾ知(し)ラン世(せ)事(じ)ノ艱(かん)キヲ,
中(ちゅう)原(げん)北(ほく)望(ぼう)シテ氣(き)如(ごと)シ[レ]山(やま)ノ。
樓(ろう)船(せん)夜(よ)雪(せつ)瓜(か)洲(しゅう)ノ渡(わたし),
鐵(てつ)馬(ば)秋(しゅう)風(ふう)大(だい)散(さん)關(かん)。
塞(さい)上(じょう)ノ長(ちょう)城(じょう)空(むな)シク自(みずか)ラ許(ゆる)スモ,
鏡(きょう)中(ちゅう)ノ衰(すい)鬢(びん)已(すで)ニ先(ま)ズ斑(まだら)ナリ。
出(すい)師(し)ノ一(いっ)表(ぴょう)真(まこと)ニ名(な)アリ[レ]世(よ)ニ,
千(せん)載(ざい)誰(たれ)カ堪(た)エン伯(はく)仲(ちゅう)ノ間(かん)。
典籍
劍南詩鈔
参考資料
- 公益社団法人 関西吟詩文化協会 www.kangin.or.jp
- 劍南詩鈔 (中国語) ctext.org