北固山下に次る

書き下し文

客路 青山の外

行舟 緑水の前

潮 平らかにして 両岸闊く

風正しうして 一帆懸る

海日 残夜に生じ

江春 旧年に入る

郷書 何れの処にか達せん

帰雁 洛陽の辺

訓読文

次(やど)ル[二]北(ほく)固(こ)山(さん)下(か)ニ[一]

王(おう)灣(わん)

客(かく)路(ろ)青(せい)山(ざん)ノ外(ほか),

行(こう)舟(しゅう)緑(りょく)水(すい)ノ前(まえ)。

潮(しお)平(たい)ラニシテ兩(りょう)岸(がん)闊(ひろ)ク,

風(かぜ)正(ただ)シウシテ一(いっ)帆(ぱん)懸(かか)ル。

海(かい)日(じつ)生(しょう)ジ[二]残(ざん)夜(や)ニ[一],

江(こう)春(しゅん)入(い)ル[二]舊(きゅう)年(ねん)ニ[一]。

郷(きょう)書(しょ)何(いず)レノ処(ところ)ニカ達(たっ)セン,

歸(き)鴈(がん)洛(らく)陽(よう)ノ邊(ほとり)。

典籍

唐詩品彙 (明)高棅

参考資料