漁翁

書き下し文

漁翁 夜 西巖に傍いて宿し

暁に淸湘に汲みて 楚竹を然く

煙銷え日出でて 人を見ず

欸乃一聲 山水綠なり

天際を迴看して 中流を下れば

巖上無心に 雲 相逐う

訓読文

漁(ぎょ)翁(おう)

柳(りゅう)宗(そう)元(げん)

漁(ぎょ)翁(おう)夜(よ)傍(そ)イテ[二]西(せい)巖(がん)ニ[一]宿(しゅく)シ,

曉(あかつき)ニ汲(く)ミテ[二]清(せい)湘(しょう)ニ[一]然(た)[二]ク楚(そ)竹(ちく)[一]ヲ。

煙(けむり)銷(き)エ日(ひ)出(い)デテ不(ず)[レ]見(み)エ[レ]人(ひと)ヲ,

欸(あい)乃(だい)一(いっ)聲(せい)山(さん)水(すい)緑(みどり)ナリ。

迴(かい)[二]看(かん)[三]シテ天(てん)際(さい)ヲ[一]下(くだ)レバ[二]中(ちゅう)流(りゅう)ヲ[一],

巖(がん)上(じょう)無(む)心(しん)ニ雲(くも)相(あい)逐(お)フ。

典籍

増廣註釋音辯唐柳先生集

参考資料