洞庭に臨む(臨洞庭)

書き下し文

八月、湖水平らかなり

虚を涵して、太清に混ず

気は蒸す、雲夢沢

波は撼かす1、岳陽城

済らんと欲するに、舟楫無し

端居して、聖明に恥づ

坐ろに2、釣を垂るる者3を観る4

徒らに5、魚を羨むの情有り

訓読文

臨(のぞ)ム[二]洞(どう)庭(てい)ニ[一]

孟(もう)浩(こう)然(ねん)

八(はち)月(がつ)湖(こ)水(すい)平(たい)ラカナリ,

涵(ひた)シテ[レ]虚(きょ)ヲ混(こん)ズ[二]太(たい)清(せい)ニ[一]。

氣(き)ハ蒸(む)ス雲(うん)夢(む)澤(たく),

波(なみ)ハ撼(うご)カス岳(がく)陽(よう)城(じょう)。

欲(ほっ)スルニ[レ]済(わた)ラント無(な)シ[二]舟(しゅう)檝(しゅう)[一],

端(たん)居(きょ)シテ恥(は)ヅ[二]聖(せい)明(めい)ニ[一]。

坐(そぞ)ロニ観(み)[二]ルニ垂(た)[レ]ルル釣(つり)ヲ者(もの)ヲ[一],

徒(いたず)ラニ有(あ)リ[二]羨(うらや)ムノ[レ]魚(うお)ヲ情(じょう)[一]。

典籍

御定全唐詩 (《摛藻堂四庫全書薈要》本)

参考資料

  • くらすらん - 国語(古文・漢文・現代文)と語学の関連情報・関連書籍を紹介するブログ nbataro.blog.fc2.com
  • 御定全唐詩 (《摛藻堂四庫全書薈要》本)(中国語) ctext.org

  1. 「動かす」ともする。 ↩︎

  2. 「徒らに」ともする。 ↩︎

  3. 「叟」ともする。 ↩︎

  4. 「憐む」ともする。 ↩︎

  5. 「空しに」ともする。 ↩︎