滁州の西澗

書き下し文

獨り憐む、幽草1、澗邊に生じ2

上に黄鸝の深樹3に鳴く有るを。

春潮、雨を帶びて、晩來、急に,

野渡、人、無くして、舟、自ら、橫たふ。

訓読文

滁(ちょ)州(しゅう)ノ西(せい)澗(かん)

韋(い)應(おう)物(ぶつ)

獨(ひと)リ憐(あわれ)ム幽(ゆう)草(そう)澗(かん)邊(ぺん)ニ生(しょう)ジ,

上(うえ)ニ有(あ)リヲ[二]黄(こう)鸝(り)ノ深(しん)樹(じゅ)ニ鳴(な)ク[一]。

春(しゅん)潮(ちょう)帶(お)ビテ[レ]雨(あめ)ヲ晩(ばん)來(らい)急(きゅう)ニ,

野(や)渡(と)無(な)クシテ[レ]人(ひと)舟(ふね)自(みずか)ラ橫(よこ)タフ。

典籍

御定全唐詩 《欽定四庫全書》本


才調集 (五代)韋穀 (清)宋邦綏

参考資料


  1. 「芳草」ともする。 ↩︎

  2. 「行く」ともする。 ↩︎

  3. 「深処」か「遶樹」ともする。 ↩︎