六月二十七日望湖楼に酔って書す

書き下し文

黒雲 墨を翻して 未だ山を遮らず

白雨 珠を跳らして 乱れて船に入る

地を捲くの風は来りて 忽ち吹き散ず

望湖楼下 水天の如し

訓読文

六(ろく)月(がつ)二(に)十(じゅう)七(しち)日(にち)望(ぼう)湖(こ)楼(ろう)ニ酔(よ)リテ書(しょ)ス

蘇(そ)軾(しょく)

黒(こく)雲(うん)翻(ひるがえ)シテ[レ]墨(すみ)ヲ未(いま)ダ遮(さえぎ)ラズ[レ]山(やま)ヲ,

白(はく)雨(う)跳(おど)ラシテ[レ]珠(たま)ヲ乱(みだ)レテ入(い)ル[レ]船(ふね)ニ,

巻(ま)クノ[レ]地(ち)ヲ風(かぜ)ハ来(きた)リテ忽(たちま)チ吹(ふ)キ散(さん)ズ,

望(ぼう)湖(こ)樓(ろう)下(か)水(みず)如(ごと)シ[レ]天(てん)ノ。

典籍

東坡詩鈔

参考資料